中国の県(および県レベルの市・区)別人口密度

作製した手順
1.まず中国地図を作る。その作り方はこちら
2.中国地図のポリゴン(多角形)に、人口密度の属性を入力していく。
 各ポリゴンがどこの県を指しているかは、ダウンロードしたデータセットのなかに一応テキストで入っている。
 ところが、そのテキストが文字化けしてしまって読めない!
 これを読みとるためには、まず属性ファイルをテキストの形でエキスポートし、そのテキストファイルを改めてエクセルで読みとる。読みとる際に言語が指定できるので、簡体字中国語を選ぶ。こうすることで、文字の7割程度は復元できる。しかし3割程度はなお文字化けしている。
 文字化けしている部分は、そのポリゴンの形と位置を中国地図帳などと照らし合わせて、どこの県なのかを突き止めていく。もし県境がはっきり描かれた地図帳があればいいのだが、残念ながら東大の中にはそうしたものはなく、しょうがないので、インターネット上を探し回ることになった。これが見つかったり見つからなかったりで、なかなかたいへんだ。そうした作業を通じて、元の地図の不正確さも明らかになってきた。1997年頃の行政区画変更以前の状態のままになっているケースがけっこうあり、データ地図の県の形と現状の形とが異なっていることがかなりあった。もはや存在しない県の名前も結構入っていたりする。行政区画の現状と変遷に関しては、中国に「行政区画網」(http://www.xzqh.org/)なるウェブサイトがあり、たいへんに役立つ。
 人口密度は、2000年の人口センサスの結果を県別に示している『人口普査分県資料2000』(中国統計出版社)の人口統計を、地図データセットに入っているAREAの数字で割って計算した。このAREAの数字は実は正確な面積を示しておらず、10-20%程度のズレがある。より正確な県の面積は上記行政区画網から逐一数字を拾っていくしかないが、今回はそこまでの元気がなく、不正確さを承知でデータセット内の数字を用いた。
 以上、県の名前・位置・形を確認しながら、属性の数字を割り当てていく作業に足かけ2週間ぐらいかかった。
3.属性データをエクセル上で作ったら、これをArcMapの属性ファイルにコピー・ペーストすればよい。ただ、このコピペも一筋縄ではうまく行かず、悪戦苦闘した。

正確な人口密度ではないものの、ともあれ地図は完成した。いずれ折をみて面積は修正したい。
華北平原にベターっと人口が集中している様子、都市と農村の違い、東南沿海部への集中などがうまく描けたと思う。拡大して細部も見ていただきたい。